ガラスの強度
ガラスはもろく、壊れやすいというイメージがあるかと思います。
実際、少し衝撃が加わっただけで割れてしまうことがよくあります。
ところが理論的には、実際の100倍の強度があると言われています。
この理論と実際との違いは、ガラス表面の非常に小さなキズ(マイクロクラック)によって起こります。
小さなキズが表面にあると、ガラスに負荷がかかった時に、そこに負荷が集中して割れてしまうのです。
小さなキズはどこで出来るのでしょうか?
実はガラスを作る際の金型との衝突、ガラス同士や他物体との衝突によって起こります。
また、ガラスに穴を開けたり、フロスト加工を行うと無数のキズが付くので、割れやすくなります。
ガラスの強度を上げる為に、単純にガラスを厚くしたり、表面にキズがつかないようにコートしたり、強化加工を施すことがあります。
ガラスの熱膨張
ガラスも金属などと同じように、温度によって膨張―収縮します。 この温度による膨張―収縮の具合を膨張係数といいます。膨張係数の違いにより耐熱ガラスか普通のガラスかに分類されます。
普通のガラスと比べ、耐熱ガラスの膨張係数は1/2~1/3程度です。膨張係数が低いので、急激な温度差に耐えることができるようになります。
膨張係数を目安にして、使用環境にあったガラスを選ぶ必要があります。
ガラスの色
ガラスは無色透明のイメージがありますが、若干色がついています。この色はガラスが厚くなればなるほどよくわかります。窓ガラスでは青や緑の色がついています。
この色は、ガラス原料に不純物として含まれる鉄が原因です。不純物の少ない原料を使うことである程度着色を抑えることができます。
また、原料にわざとピンク色などの着色剤を少量添加して、青色を抑えることもあります。
ガラスの耐久性
耐久性に関しては、樹脂などの他の部材と比べて優れている部分が多く、耐久性が良い為にガラスが採用されることもあります。
例えば防火施設などでは、可燃物の樹脂は使えないので不燃物のガラスを使われます。紫外線や水に強く劣化が少ない素材なので、船舶用としてもガラスを使われます。
ただし、長時間水に晒されると、表面からアルカリが溶出してヤケを生じたり、砂ぼこりなどで表面に小さいキズが付いて割れやすくなったりするので注意が必要です。