主な原料
ケイ砂
ガラスの骨格になる、SiO2を得る為に使われます。
ガラスにもよりますが、原料の60%~80%がケイ砂です。
ケイ砂に含まれる不純物によって、着色してしまうこともあります。
ナトリウム
炭酸ナトリウムや硝酸ナトリウムがよく使われます。
原料にナトリウム分が増えることで、ガラスの融点が下がり、溶かしやすいガラスになります。
その反面、耐熱性、耐水性、耐薬品性などが低下してしまいます。
カルシウム
ソーダ石灰ガラスでは、ナトリウムと一緒に使われます。
石灰石がよく使われ、成形性や耐水性を向上させます。
ホウ酸
ホウケイ酸ガラスでは、ケイ砂の次にホウ酸が多く使われます。
ガラスの骨格になり、熱膨張係数を下げる効果があるので、耐熱衝撃に優れたガラスになります。
ただ、溶融中に揮発しやすいというのが欠点です。
アルミナ
アルミノシリケートガラスではケイ砂の次にアルミナが多く使われます。
ソーダ石灰ガラスやホウケイ酸ガラスでも数%程度添加されて、ガラスの安定化に一役買っています。
入れすぎると溶融し難くなるので注意が必要です。
カリ
ソーダ石灰ガラスにカリを混ぜることで、ガラスが溶けた状態から冷めて固まる時間が伸びて作業性に優れたガラスになります。
カリの多いガラスは炉材を侵食しやすくなります。
マグネシウム
炭酸マグネシウムや水酸化マグネシウムが使われます。
カルシウムの一部をマグネシウムにすることで、失透を抑えることができます。
酸化亜鉛
亜鉛華が使われ、膨張係数を抑えたり、化学耐久性を向上させます。
カレット
カレットというのは、粉砕されたガラスのことです。
余ったガラスを粉砕し再利用することで原料の消費を抑えるという目的だけでなく、溶融を助けてくれるので省エネルギーにもなります。
副原料
亜ヒ酸
清澄剤として用いられます。
溶融時は酸素を放出して脱泡作用を促進し、冷却過程で酸素を吸収します。
酸化アンチモン
亜ヒ酸と同様に清澄剤として用いられます。
清澄作用は亜ヒ酸より弱いものの、亜ヒ酸よりも毒性が低いことから、亜ヒ酸の代わりに用いられます。
フッ化物
添加することで、ガラスにフッ化カルシウムの結晶を生じて乳白色のガラスを得ることができます。
少量添加することで、溶融促進剤や清澄剤としても用いられます。